PAH評価の概要
GSマーク認証のPAH評価では、製品の構成部材がどの程度人体に接触するかという観点から3つの区分を設け、規制値を設定しています。 この区分はカテゴリーと呼ばれ、カテゴリー1は接触頻度が高かったり、口に入れたりする可能性の高いものまたは意図しているもの、予想されるものが分類されています。
カテゴリー1〜3までの区分は以下のようになります。
- カテゴリー1:口に入れることを意図しているなどの材料および36ヶ月未満の幼児用玩具(食品と接触する場合にはドイツ食品法が適用されます)
- カテゴリー2:皮膚に直接触れる(接触時間30秒以上)と予想される材料およびカテゴリー1に該当しない玩具
- カテゴリー3:皮膚に直接触れる時間が短時間(接触時間30秒未満)の材料や直接触れる可能性がない材料
PAHの分析対象物質
PAH評価ではPAHのうち、EPA(米国環境保護局)が指定している16物質について規制濃度が設定されています。- ナフタレン
- アセナフチレン
- アセナフテン
- フルオレン
- フェナントレン
- アントラセン
- フルオランテン
- ピレン
- クリセン
- ベンゾ[a]アントラセン
- ベンゾ[b]フルオランテン
- ベンゾ[k]フルオランテン
- ベンゾ[a]ピレン
- インデノ[1,2,3-cd]ピレン
- ジベンゾ[a,h]アントラセン
- ベンゾ[g,h,i]ペリレン
PAH評価では、EPAが定めるPAH16物質全体での合計含有濃度規制と、発がん性が高いとされるベンゾ[a]ピレンの含有濃度規制があります。
カテゴリー1では、PAH16物質合計で不検出(0.2mg/kg以下)、ベンゾ[a]ピレンも不検出(0.2mg/kg以下)という規制濃度が規制値となっています。
規制濃度の単位に「 mg/kg 」が使われていますが、重量についての濃度規制値(閾値)になります。 また、重量比での「 ppm 」と同じ意味になります。